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世のため人のための不動産業へ―明海大学キャリアデザインで講義―

 国内で唯一不動産学部を有する明海大学(千葉県浦安市)では、「不動産キャリアデザイン」授業の一環として不動産業の実務家による講義を行っています。本会からも毎年講師を派遣していますが、今回は株式会社NENGO・的場敏行社長(神奈川県宅地建物取引業協会会員、リノベーション住宅推進協議会理事)が講師を務めました。

 NENGOは、「企業活動を通じて『世のため人のため』に貢献する」ことを企業理念に、気候、風土、歴史、文化をいかし、『らしさデザイン』をすることで“住みたい” “遊びたい” “働きたい”街をつくることをミッションとする神奈川県川崎市・溝の口の会社です。
 1983年に先代の社長が耐火被覆工事を行うオリエンタル産業㈱として創業し、1993年に的場現社長が入社。サービス業の視点から住宅産業の矛盾点を捉え、以後は断熱工事、自然由来の素材で作られた塗料ポーターズペイントの日本総代理店、建築業、不動産業と、「目の前の人を幸せにする」ため事業領域を拡大しています。

住宅業界の矛盾点
 「世のため人のために貢献する」企業理念を策定した背景にあるのが、住宅業界に対して感じた矛盾。ホテル業から住宅業界に転身した的場社長は、他のサービス業ではあたり前の「目の前の人を幸せにする」ことが、住宅業界ではまだまだ不十分であると指摘しています。人々の生活基盤である家や街をつくる基幹産業であるにも関わらず、自分の利益を優先した提案が行われていること。お客様を求めるものよりも自分が売りたい家の提案。そのような提案の結果、どの街にも同じ店舗や街並みがならび、その街々の個性や「らしさ」が失われていること。

お客様にとって最適な提案
 的場社長は、日本の住宅や街そして業界を良くするため企業理念を策定し、お客様の幸せを実現するためのメニューとして様々な事業を用意し、その中からお客様にとって最適な提案を行っているといいます。そして、提案する際には「この建物をどうするか?」の視点ではなく、その街の気候・風土・歴史・文化を読み込み、「この街をどうするか?そのためにこの建物をどうするか?」の視点を大事にしているそうです。
目の前のお客様を幸せにする同社の姿勢はロゴマークにも表れています。同社のロゴマークには富士山が用いられており、これはお客様にとってナンバー1でありオンリー1の存在(不二の存在)になるという決意表明であるといいます。

求められる人材とは
 的場社長は日頃から若手社員に「歯車になるな。仕組みを作れ」と言っています。今後外国からの優秀な人材の流入やAI発達等、労働環境がますます厳しい状況におかれるのは目に見えているなかで、どうやって生きていくか。的場社長は、これからは10年後を見据えて現状の問題点を考え、提案し事業をつくれる人材、アウトプットができる人材が求められるといいます。そのためには、就職活動でいかにまわりの人と差別化するかを考える必要がある点と、履歴書を社会に対して何ができるかの提案書であると捉えるべきという点を強く説き、そのアドバイスに学生は皆真剣に耳を傾けていました。

 講義の最後に的場社長からは、「出る杭は打たれる。出ない杭は腐る。出過ぎた杭は打たれない。歯車ではなく自ら考えて行動できる出過ぎた杭になってください。」と、これから業界を担う学生にエールを送りました。講義終了後、的場社長のもとへ学生が何名も質問に訪れ意見を交わすなど、多くの学生が不動産業界へ興味関心を持つ機会となる大変意義の有る講義となりました。

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