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福島第一第二原発事故の賠償に対する取り組み

 本会では、東日本大震災にともなう東京電力福島第一第二原子力発電所の事故に伴う被害の賠償に対する取り組みとして、原子力の賠償に関する法律に基づく政府の要請に応じて、市川宜克専務理事が、原子力損害賠償紛争審査会の各産業分野別の被害の実態を調査する専門委員会の建設・不動産分野の委員として任命を受けて、被害の状況を現地調査やヒアリング等を通して明らかにするとともに、審査会の損害範囲の判定指針を検討するための市場動向調査などを実施しました。

 専門委員会の建設・不動産分野における調査事項としては、避難区域(及びその周辺)における建設・不動産業の基礎的データの収集・整理や風評被害の現状把握、放射線量が比較的高い地域で活動する企業や労働者における補償の取扱い等があり、具体的な活動としては、6月16日に福島市およびいわき市におもむき、福島県宅建協会の会員企業(福島、郡山、会津、南相馬、浪江、いわきの事業者)及び福島県宅建協会へのヒアリングや、6月10日から6月20日にかけて行われた、福島県宅建協会などに所属する福島、郡山、いわき、南相馬などの会員企業に対するアンケート調査の実施、移転登記数や指定流通機構等の公的統計を活用した取引件数などによる事故の影響分析があります。

 その結果をとりまとめ、7月14日に開催された第10回原子力損害賠償紛争審査会において、警戒区域等はもちろん、政府指示の区域外にまで、広範囲に損害が及んでいることを明らかにした調査報告書を提出しました。そこには、制限区域内では取引が途絶え、契約済み取引が解約となっている実態に加えて、制限区域内にある入居者が避難した賃貸住宅や建築途中で解除された住宅の評価の問題、不動産の価値の下落や運転資金の枯渇による連鎖倒産への対策の必要性、さらには対象区域外においても風評被害により土地やマンションの売買取引件数が減少している実態が記載されています。

 原子力損害賠償紛争審査会では、その後も、2回の審議を経て、8月5日に開催された第13回審査会において、賠償の枠組みとして賠償範囲には計画的避難区域や風評被害を対象とすることなどを盛り込んだ「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針(案)」をとりまとめました。中間指針案には、計画的避難区域や緊急時避難準備区域において、事故前との不動産価格の差額や契約の途中破棄等による損害なども、事故によるものであると認められれば賠償対象となるほか、不動産賃料の減額や福島県における買い控えや取引停止等が風評被害によるものとみられる場合には賠償の対象となる等の内容が記されています。

原子力損害賠償紛争審査会関連(文科省ホームページ)

専門委員による調査について

建設・不動産分野(不動産業関係)における専門委員調査報告書

東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針(案)